ワーキングホリデー

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耳を傾け、話を聴こう。

カウンセリングやコーチングには「傾聴」と呼ばれるコミュニケーション手法が存在します。傾聴とは書いてある通り「傾けて聴く」と書きます。何を傾けるのか?と申しますと「耳」です。耳を傾けて聴くのです。この傾聴、相手の言いたいことや話したいことに、耳を傾けるのです。途中で話を遮らず、話題を盗んだり奪ったりせず、相手の意見を否定しないで、ただそっと寄り添うのです。コミュニケーションの中でもっとも大切な部分です。しかし、忙しい現代では相手の話に耳を傾けず、すぐに結論を求めてしまう傾向があります。そして成果主義的な社会の傾向も含め、ゆっくりと会話を楽しむという事をあまりしなくなりました。あなたは最近、ゆっくりと会話を楽しみましたか?相手の会話の内容には、表に出てこない欲求が必ずと言っていいほど表れます。本当は不安な気持ちをたくさん感じているのに、いつも強がってしまったり、寂しい思いを隠そうとして、つい人を攻撃してしまうような話し方をしてしまったり・・・。良くしゃべる人は、心の中の不安を見抜かれないように、言葉で気持ちが見えないように無意識に隠してしまうと言います。そのような時、話している人に心をそっと寄り添ってみてください。どうしてこの人はこんなにたくさんしゃべるのだろう、どうしてこんなに攻撃的な話し方をするのだろう。そう思ったときは、相手にも必ず、「そうしなければならない理由」があるのです。
心の中は本人も気が付いていない場合が多いく、無意識のうちに人を傷つけるような発言をしてしまう場合もあります。しかし、その人の発言を良く聞いていると、何かを守りたいからキツイ発言をしてしまうのです。しかし、そのような時も傾聴を続けながら、寄り添っていくと、その人の言葉や口調が柔らかくなってくる瞬間があるのです。傾聴とはものすごいパワーを持っており、どんな人とでも仲良くなれるコミュニケーションスキルなのです。私もこの傾聴の素晴らしさを体感した出来事があります。私はある日、イライラしておりました。自分の思うように物事が進まず、ストレスを抱えていました。しかし、誰に相談したらよいか分からず、悶々としていたらある人がこう話しかけてくれたのです。「今思っていることを聴かせてください」と。その時私は、少々困惑しましたが話し始めることにしました。すると、その方は、私の顔を見ながら真剣に頷いてくれたのです。その態度を見ていたら「心の中の事を話しても良いのだ」そう無意識のうちに色々な言葉が私の心の中から出てきたのです。その間もずっと、その方は話を遮ることなく、頷きながら私の心に寄り添ってくださいました。時には質問も交えながら、段々と心の中の思いを確認できるようになったのです。そして、心の中にある黒い塊はなくなり、とてもすがすがしい気持ちになっていました。この様に、傾聴は人の心を癒し、自分の中にある見えない鎖のような物を解き放ってくれるのです。それから私は、カウンセリングを学び傾聴することの大切さを日々かみしめているのです。誰かの話を真剣に聴くという事は、その人の事を大切に思う気持ちが大切です。しかし、時間に追われてしまったり、やるべき事・やらなくてはならない事がたくさんあると、真剣にゆっくりと話を聴くことができなくなってしまいます。そんな時こそ、プロのカウンセラーやセラピストにゆっくりと話を聴いてもらう事が大切です。傾聴は自らの心の状態を知るにはとても役立ちます。また、海外などでは、傾聴に何十時間ものトレーニングを積んだりするカウンセリングスクールも存在します。そう考えると、日本のカウンセリングスクールは、スキル的なことを重視し、本当に大切にしなければならない「傾聴」に時間をかけていないように思います。傾聴とはコミュニケーションをより円滑にしていくための「スキル」ではありますが、人が人と繋がっていくために、生涯をかけて学ばなければならない、人生においての「志」のようなものだと思います。心理学者の一部の方々は「傾聴だけでは鬱は治らない」と言いますが、傾聴が鬱を治すのではなく、その人の心に寄り添いたいというカウンセラーやセラピストの真剣な思いが傾聴となって表れ、心の中に癒しを起こしていくのではないかと思います。もしあなたの近くに、疲れていそうな方がいましたら、何も言わずただその人の話に「耳を傾けて」みてください。その人の人生を感じる瞬間がきっとあるから・・・。

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